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数年間アメリカに暮らしたあと、私が久しぶりに日本に里帰りしたのは昭和が終わりを告げようとしていた1988年の暮れでした。その数日後に平成元年が幕をあけました。日本中に半族が掲げられたその朝、私はシアトルに住む義母からの国際電話で目を覚まし、昭和天皇崩御の知らせをうけました。ハワイ生まれにも関らず、7歳から14歳まで教育を受けるため、戦前の7年間を広島で暮らしたという日系二世の義母にとつて、昭和天皇は今もまだなお神のような存在であり、彼女にとって誰よりも尊いヒーローでした。とにかく皇居に急げと言われ、義母のために御記帳をしに皇居に向かいました。表にでてみると、行く先々の道々には上部を黒布で覆われた日の丸が掲げられ、不気味さと厳かさが混在した光景が広がっていました。半旗ひるがえる道を歩きながら、私は、アメリカでずっと心に引っかかっていたある問題を思い出していました。「国とは、日本とは、私にとってどんな意味があるのだろう.…」答えの出なかったその間いを、自分に問い返しながら、自分が生まれた国を確認する気持ちで、私はその日、東京中を歩きまわりました。 < 高畑早苗 >
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昭和葬送曲
竹下通り, 原宿, 東京
1989 127x97cm (50"x38") Oil on canvas
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東京郊外少女
新丸子, 川崎市, 神奈川
1989 107x81cm (42"x32") Oil on canvas
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Go Go Heaven
アイドル・ワンダーランド, 原宿, 東京
1989 122x91cm (48"x36") Oil on canvas
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新しい世代
横浜市, 神奈川
1989 117x 91 (46"x36") Oil on canvas
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電気仕掛け動物園
秋葉原, 東京
1989 117x91cm (46"x36") Oil on canvas
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私達の遊び場
JR 山手線, 東京
1989 102x 81cm (40"x32") Oil on canvas
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天皇の葬式
新宿区, 東京
1989 135x97cm (53"x38") Oil on canvas
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All right reserved SANAE TAKAHATA 2007
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